【お金の基礎知識】会社員の「社会保険料」「税金」の仕組みについて解説

会社員の社会保険料と税金金融知識
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この記事はサラリーマンが「社会保険料」や「税金」をどのような計算で天引きされているか?または大体自分はどれくらいの手取りなのか?を知りたい方へ向けて書いています。

「年収=手取り金額ではない」

ということを多くのサラリーマンの方は認識していると思いますが、実際に「社会保険料」や「税金」をどんな仕組みでいくらくらい給与から引かれているか把握している方は多くないでしょう。

「社会保険」とは国の提供する保険の総称です。

自身が怪我や病気になった時の医療費窓口負担が軽減される「健康保険」や老後やもしもの場合に支給される「年金」、会社を退職した際に受け取れる失業給付の「雇用保険」などが該当します。

ダンボくん
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この他、「介護保険」「労災保険」も社会保険の項目の1つです。

「税金」は道路整備や上下水道整備、ゴミ回収、小中学校の教育費、消防や警察の活動であったり医療施設設立などの公共事業を運営する為に使われている資金です。

ダンボくん
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あたりまえのように無料でこういったサービスを提供できるのは「税金」のお陰という訳です。

そんな「社会保険料」と「税金」は私たちが働いて稼いだお金のうちから支払っています。

今回はその中身や仕組みについて解説致します。

手取り収入は「給与-社会保険料-税金」

手取り=収入-社会保険料-税金

「社会保険料」と「税金」の決まり方は大きく異なります。

  • 社会保険料=収入×料率
    • 収入=額面給与のこと
  • 税金=所得×税率
    • 所得=収入-控除
社会保険料は収入から算出 税金は所得から算出

控除とは?

差し引くことを意味します。

各個人によって色々な事情がある為、収入全てに税金を課すのではなく、その事情に沿った分だけ課税する仕組みになっている。

控除の種類は後述致します。

ダンボくん
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収入から算出される社会保険料は高く、所得から算出される税金は意外に少ないというパターンが多くの方に当てはまります。

社会保険料は「収入」の15%前後を自己負担

40歳未満の方であれば社会保険料の項目は「健康保険」「厚生年金保険」「雇用保険」の3つで大体14.45%が自己負担分に該当します。

40歳以上の方であれば「介護保険」が加わり大体15.35%が自己負担分となります。

ダンボくん
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収入の15%くらいが社会保険料と覚えておけばOKです。

保険料は「標準報酬月額」より算出

社会保険料の内訳は次の通り。

料率個人負担会社負担
健康保険※約10%※約5%※約5%
介護保険
(※40~64歳の従業員が対象)
1.8%0.9%0.9%
厚生年金保険18.3%9.15%9.15%
雇用保険0.9%0.3%0.6%
労災保険0.3%なし0.3%
※健康保険料率はお住まいの地域によって異なる⇒詳細は こちら

「健康保険」「介護保険」「厚生年金保険」は会社と50%ずつ負担

「雇用保険」と「労災保険」に至っては会社が多く負担してくれています。

ダンボくん
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会社には感謝です。

これらの料率が「標準報酬月額」にかかります。

(例)標準報酬月額が30万円の場合の厚生年金保険料

 30万円×18.3%÷2=2万7,450円

標準報酬月額とは?

その人の社会保険料を算出する時に基準となる額のことです。

  • 基本給
  • 役員報酬
  • 家族手当
  • 住宅手当
  • 通勤手当
  • 残業手当
  • 賞与(※標準報酬月額ではないが賞与の都度算出)

など労務に関わる全ての収入が対象でそれぞれ等級分けされています。

等級数
厚生年金保険32等級に分類
詳細はこちら
健康保険
介護保険
50等級に分類
詳細はこちら
各社会保険料の等級数

標準報酬月額の決まり方は3種類

  • 定時決定
  • 入社時
  • 随時改定等

定時決定が最も一般的な決まり方で、年度初めの3ヶ月間(4月~6月)の平均収入で算出されます。

入社時は転職などで収入が確定していない時に見込み収入として算出されます。

随時改定等は昇格や降格、休職などによって年途中で大幅な昇給や降給があった場合に見直されます。

標準報酬月額 定時決定算出方法

社会保険料を下げる方法については以下の記事をご参照ください↓↓

税金は控除後の「所得」から算出

どちらも「額面収入」ではなく、控除後の「所得」にかかる費用です。

「所得税」「住民税」はそれぞれ税率が以下のように異なります。

  • 所得税=累進課税
  • 住民税=一律10%+5,000円

所得税は所得に応じて税率が変わる

所得税は稼げば稼ぐほど税率が増える累進課税制度が採用されています。

出典:国税庁 No.2260 所得税の税率

よくある勘違い

所得税計算方法は「所得合計額×税率」ではありません。

会社員
会社員

年間所得が330万円以上になったら

税率が20%になって損するから

残業したくないよ~、、、

こんな思いをされている方もいるかもしれませんが、これは勘違いです。

例えば年間所得が350万円になった場合は以下のようになります。

ダンボくん
ダンボくん

所得の0~195万円までに5%

195~330万円の分に10%

330~350万円の分に20%

といった具合にゾーン別に税率がかかります。

所得税のかかり方

計算すると以下のようになります。

195万円×5%+135万円×10%+20万円×20%=27.25万円

ダンボくん
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全ての所得に同様の税率がかかる訳ではありません。

速算表を使って簡易的に算出する方法

所得全てに一律の税率をかけて、速算表の「控除額」を引く方法です。

  • 課税所得×税率-控除額
出典:国税庁 No.2260 所得税の税率

(例)所得350万円の場合

350万円×20%-42.75万円27.25万円

ダンボくん
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こういった楽な計算方法があります。

住民税は「所得×10%+5千円」

住民税は所得割分(市町村民税6%+都道府県民税4%)+均等割分( 市町村民税3,500円+都道府県民税1,500円)がかかります。

「所得税」と「住民税」は徴収時期が異なる

  • 所得税⇒先払い
  • 住民税⇒後払い

所得税は1月~12月分の見込み税としてその年の毎月の給与から徴収され、年末調整で過不足が精算される。

住民税は1月~12月分の所得から算出され、翌年の6月から毎月徴収されます。

所得税と住民税は納税時期が異なる

会社が自動で行ってくれる控除

会社員であれば年末調整時に会社が自動で行ってくれる控除があります。

  • 給与所得控除
  • 基礎控除
  • 社会保険料控除

給与所得控除

フリーランスの方であれば「控除」の他に「経費」という所得を減らせる項目が認められますが、会社員や公務員にはそれがありません。

従って「給与所得控除」は会社員や公務員の「経費」のようなモノとして適用されます。

控除額は収入によって変わりますが、最低55万円が控除可能です。

出典:国税庁 No.1410 給与所得控除

(計算例)年収500万円なら「給与所得控除額」は以下のようになります。

500万円×20%+44万円=144万円

基礎控除

「基礎控除」は年収2,500万円以下の方なら誰でも受けることができる控除でフリーランスの方も対象になります。

年収2,400万円以下の方であれば48万円の控除が受けられます。

出典:国税庁 No.1199 基礎控除

社会保険料控除

「社会保険料控除」は支払った社会保険料がそのまま控除されます。

詳しくは国税庁 No.1130 社会保険料控除をご覧ください。

ダンボくん
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我々は年末調整時に控除申請用紙を提出するだけで、会社はこれだけの計算を全て行ってくれます。

会社には感謝しましょう。

要約

つまり会社員ならよほどの高年収でもない限り、誰でも103万円の控除と払った分の社会保険料が控除される仕組みになっています。

  • 55万円の給与所得控除
  • 48万円の基礎控除
  • 払った分の社会保険料控除
ダンボくん
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よく言われる「103万円の壁」というのはこの税負担が0円になるラインのことです。

年収103万円以下なら課税所得は「0」になる
年収103万円以下なら課税所得は「0」になる

年末調整時に行える控除

上記の3つの控除以外に年末調整時に自身で行える控除があります。

基本的に控除はあればあるほど節税できる為、有効に活用しましょう。

控除概要(※控除額)
生命保険料控除生命保険に加入している場合に受けられる控除(※「生命」「介護」「個人年金」それぞれ上限4万円)
小規模企業共済等掛金控除小規模企業共済掛金やiDeCoなどの支払い金額に対して受けられる控除
配偶者控除所得48万円以下の配偶者がいる場合に受けられる控除 (※13~48万円)
配偶者特別控除所得48~133万円の配偶者がいる場合に受けられる控除 (※1~38万円)
扶養控除同一生計の所得48万円以下の扶養親族がいる場合に受けられる控除 (※38~63万円)
地震保険料控除支払った保険料全てが控除対象(※最高5万円まで)
障害者控除納税者本人、同一生計の配偶者、扶養親族のいずれかが障害者に該当する場合受けられる控除 (※27~75万円)
ひとり親控除所得が500万円以下のひとり親が受けられる控除 (※35万円)
寡婦控除夫と死別or離婚しており一定の条件を満たしている場合受けられる控除 (※27万円)
勤労学生控除納税者が学生で合計所得が75万円以下の場合受けられる控除 (※27万円)
年末調整で申請可能な控除

小規模企業共済等掛金控除が使えるiDeCoについては下記の記事をご参照ください↓↓

確定申告でのみ行える控除

年末調整にて行えない控除があります。

これらの控除は確定申告にて行える控除です。

控除概要
医療費控除医療費や医療施設への交通費などが対象(※10万円を超えていない場合でも適用されるケースがある)
寄附金控除ふるさと納税など特定の団体や法人に寄附した場合受けられる控除
雑損控除災害や盗難による資産の損害を受けた場合に受けられる控除
住宅借入金等特別控除
(1年目)
住宅ローン残高の1%(※2022年に0.7%へ改正予定)が10年間控除される(※2年目以降は年末調整にて申請可)
配当控除株式配当にかかる所得税の一部が控除される
外国税額控除外国で納付した税額から一定の範囲で控除される(※外国株式からの配当も対象)
確定申告でのみ申請可能な控除

配当控除は国内株式からの配当手取り、外国税額控除は外国株式からの配当手取りを増やす節税手段として活用できます。

詳しくは下記の記事をご参照ください↓↓

会社員の場合、年末調整を行っている為、確定申告は思っている以上に簡単です。

「自分には関係ない」と思っている内は税金取られ放題です。(特に会社員は仕組み上不利)

「自分に関係させる」という考え方で接していけば節税ができ手取りも多くなる為、蓄財が進みます。

年に1回するだけで数万~数十万の節税ができる為、数十円~数百円安い食材を求めてスーパーを転々とするより遥かに効率のよい節約です。

ダンボくん
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確定申告をしっかりする人はそれだけでお金持ちになれる素養があります。

年収別 手取り金額

下記の表は年収別の「手取り」や「社会保険料」「税金」の内訳です。

計算方法は年収から社会保険料を(40歳未満の方を対象に)算出し、

  • 給与所得控除
  • 基礎控除
  • 社会保険料控除

上記3つの控除後の所得から所得税と住民税を算出致しました。

年収手取り
(手取り率)
その他内訳
300万円239万円
(79.7%)
・社会保険料 43万円
・所得税 6万円
・住民税 12万円
400万円315万円
(78.8%)
・社会保険料 58万円
・所得税 9万円
・住民税 18万円
500万円389万円
(77.8%)
・社会保険料 72万円
・所得税 14万円
・住民税 25万円
600万円462万円
(77%)
・社会保険料 86万円
・所得税 21万円
・住民税 31万円
700万円529万円
(75.6%)
・社会保険料 101万円
・所得税 32万円
・住民税 38万円
800万円591万円
(73.9%)
・社会保険料 115万円
・所得税 48万円
・住民税 46万円
900万円652万円
(72.4%)
・社会保険料 130万円
・所得税 64万円
・住民税 54万円
1,000万円712万円
(71.2%)
・社会保険料 144万円
・所得税 82万円
・住民税 62万円
年収別手取り表
ダンボくん
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年収が100万円上がるにつれ手取り率は1%ずつ減っていくのがわかりますね。

高年収であればあるほど程「税負担」が重くのしかかります…

年収500万円の手取り計算例

ざっくりの計算ですが計算例を挙げると「社会保険料」は以下のようになります。※40歳未満を想定しています。

計算式年間保険料
健康保険500万×10%÷225万円
厚生年金500万×18.3%÷245万7,500円
雇用保険500万×0.3%1万5,000円
合計500万×14.45%72万2,500円
社会保険料計算例
ダンボくん
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本来であれば「標準報酬月額」から求めますが今回はあくまでも計算概念の確認の為、簡易化致します。

次に税金のかかる所得を求めます。

計算式控除額
給与所得控除500万×20%+44万144万円
基礎控除年収2,400万以下の枠48万円
社会保険料控除社会保険料個人負担分72万2,500円
合計264万2,500円
社会保険料計算例

500万円-264万2,500円(控除)=235万7,500円(所得)

次に「所得税」の算出ですが235万7,500円は税率10%ゾーンの為、以下のようになります。

235万7,500円×10%-9万7,500円=13万8,250円

最後に「住民税」の算出

235万7,500円×10%+5,000円=24万750円

「社会保険料」「所得税」「住民税」を合計すると 110万1,500円 となります。

※表とは若干ズレはありますが、これは「標準報酬月額」を無視した計算方法なので本当にざっくり計算です。

便利な計算サイト

年収を入力するだけで「社会保険料」「税金」を計算してくれるサイトがありますので掲載させていただきます。

税金・社会保険料・手取り計算シミュレーション(あなたの給料からパッとわかる) | 税金・社会保障教育
所得税、住民税、社会保険(医療保険や年金...

まとめ

  • 社会保険料は収入の15%前後を負担
  • 税金は所得から算出される
  • 所得税は所得に応じて税率が変わる
  • 住民税は一律10%+5,000円がかかる
  • 控除を使えば税負担が軽減される

このあたりを抑えておけばOKです。

社会保険料に関してはコントロールが効きにくい為触れにくいですが、税金の部分は「控除」を上手く活用することで節税できます。

サラリーマンでもできる節税方法は下記の記事で紹介しています↓↓

誰にでもオススメできる控除は「ふるさと納税」を使った寄附金控除です。

上限額は収入金額によって異なりますが、ノーリスク手軽に節税できる為活用するべきです。

年金についてもう少し知りたい方は下記の記事をご参照ください↓↓

税金についてもう少し知りたい方は下記の書籍がオススメです↓↓

税理士の大河内薫先生と漫画家の若林杏樹先生が「税金の仕組み」「社会保険」「確定申告」「節税方法」などを漫画を用いながら解りやすく解説してくれています。

タイトルにフリーランスと記してありますが、サラリーマンの方でも大まかな社会の仕組みを理解するには持って来いの名著です。

資産形成を進めていく上で「節税」は必須科目です。

こういった「節税」や「節約」の話をみなさんと共有できればいいなと思っておりますので「質問」や「こんな節税方法あるよ」といったコメントなどを頂けると幸いです。

この記事がみなさんの資産形成の役に立てれば嬉しく思います。

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