資産形成に目ざめた方であれば「米国株への投資が最適解である」と耳にしたことがあるでしょう。
様々な理由がありますが
これらをトータルで見て上回る他国市場はないと考えられます。
今回はその中身を順に解説いたします。米国株腰を据えて長期投資できる理由が解るため、知っておいて損はないでしょう。
人口が増加傾向で成長が見込める
日本は2000年前半までは緩やかながらも人口は増加傾向でした。
しかし、その後は経済成長の鈍化と高齢化に伴い人口も減少傾向です。
対してアメリカの人口は今も増加傾向です。下記の表は日米の人口推移です。
と順調に増加しており、2050年には3億8,000万人になることが予想されています。
人口が増加すれば
というメリットがあります。
下記の表は米国のGDPの推移で、ご覧の通りキレイな右肩あがりです。
企業が潤えば企業価値が高まり、経済が活発化すれば投資額も増えます。
つまり株式市場も成長するということです。
移民を受け入れる文化でイノベーション(技術革命)が起こりやすい
アメリカは「移民の国」と言われており、多くの移民を受け入れてきた実績と文化があります。
現在約5,063万人の移民がアメリカに在籍しており、移民人口数は世界1位です。
特に知能に優れる民族として有名な「ユダヤ人」が数多くアメリカに在籍しています。
どのくらい知能に優れているかというと、ノーベル賞受賞者の20%以上がユダヤ人ということから如何に優秀であるかがわかります。以下ノーベル賞を受賞した米国在籍のユダヤ人。
政治に参加するメンバーにも多くのユダヤ人が存在します。
その才能を活かして米経済成長に貢献してきた
などもユダヤ人です。
当然優秀な人材が各企業に集まる為、イノベーション(技術革命)が起こりやすくなります。
現に「Apple」「Google」「Amazon」「Microsoft」「Facebook」など技術革命を起こしてきた企業は全て米企業です。
また年々移民の比率も上昇している為、新たなイノベーションが起こりやすい土壌といえるでしょう。
対する日本は移民を受け入れる文化がなく、このあたりに低成長な理由があることが伺えます。
世界の主要通貨「米ドル」で運用できる
米国株を購入するということは米ドルでの運用になります。
米ドルは世界で最も流通している通貨であり、他国でも自国通貨以外に米ドルが両替せず直接使える国がたくさんあります。
為替取引においても米ドルの取引が最も多く流通量は世界トップです。(ユーロが第2位、日本円は第3位)
流通量が多い通貨は通貨価値がなくなるとは考えにくい為、安心して保有できると言えます。
よく外貨建て商品を持つことは「為替リスクを負うこと」と言われますが、日本円だけを持つことの方が遥かにリスクが高まります。
日本に住んでいればあまり実感が湧かないかもしれませんが、日本は海外に比べて物価が上昇していません。外国人観光客が増えているのも「物価が安い=気軽に行ける」といった理由からです。物価が上昇しないということは通貨の価値も他国に比べて衰退していくということです。
米ドル資産を持つことで保有通貨の分散もできる為、米国株は魅力的な投資先になるといえます。
米国では株主還元を何よりも重要視する
日本企業は株主を軽視する傾向が度々見受けられます。
その筆頭として「増資」が挙げられます。
増資とは株式を再発行して出資者(出資額)を増やすことです。企業からすれば出資額が増え嬉しいかもしれませんが、株主からすればそうではありません。
何故なら株式を増やすことで1株あたりの価値が下がるからです。※EPS(1株あたりの純利益)もBPS(1株あたりの純資産)も株数が増えれば価値が低下します。
この他にも色々な不正が行われてきました。
挙げ出したらキリがないくらい多くの不正があります。これは消費者や取引先を欺いて利益を上げると共に株主を軽視していることと同義です。日本企業には「会社は誰のモノであるか」を認識していない経営者がいかに多いかがわかります。
株式会社の仕組みについては下記の記事をご参照ください↓↓
一方でアメリカは株主を何よりも重要視します。
これらは過去から見れば一目瞭然です。
積極的な「自社株買い」や「M&A」に「価値創造」の為に努力を惜しまない姿勢。
連続増配年数に至っては10年連続増配していればかなり目立つ日本と違い、「J&J」「P&G」「コカコーラ」など50年以上連続増配する企業が無数に存在します。
安易な増資をするような経営者は即刻解任という厳しさもまた株主を重んじている証拠です。
日本に比べて遥かに投資リスクの少ないのが米企業と言えます。
ちなみに連続増配企業を集めた「VIG」という米国ETFも存在します↓↓
海外売上比率が高く世界経済の恩恵を得られる
米国は世界中に事業を展開している企業が無数に存在します。
例えば「iPhone」や「iMac」で有名な「Apple」では直近10年の海外売上比率は50%くらいになります。2020年の内訳を見ると
と収入源を多角化しています。
この他、「S&P500」構成銘柄で有名な以下の企業もまた海外売上比率が50%前後で推移しています。
また「エヌビディア」や「Intel」に至っては海外売上比率が80%前後で推移するなど、グローバルスタンダードな企業がアメリカにはたくさんあります。
従って、米国株式指数の商品(S&P500やVTIなど)を購入すれば世界経済の恩恵を得られるということになります。
市場の整備が行き届いており経済成長と株価が連動する
上場する市場の仕組みも日本や新興国と違い、アメリカはしっかり整備されています。
日本であれば上場する為に最低限の基準がありますが、一度上場してしまえばよほどの不祥事でもない限り退場させられない仕組みになっています。つまり利益の出せなくなった企業でも市場に居続けられるということです。
新興国もまたしっかりとしたルール作りがなされておらず、企業の正しい情報開示も行われておりません。従ってGDPの成長と株価がリンクせず新興国市場は思ったより成長しません。
このあたりが米国より人口増加が見込めるインドであっても投資に適さない理由のひとつになります。
一方米国では「ニューヨーク証券取引所」や「ナスダック証券取引所」に上場するには厳しい基準をクリアしなくてはいけません。更に上場後も基準を満たせなくなった場合は「店頭市場」に移されるなど企業側としては息が抜けません。以下はS&P500組入れ基準です。
市場に残る為に必死に利益をあげないといけない米企業に対して、一度上場してしまえばずっとぬるま湯に浸かっていられる日本企業では差がついて当然です。
この市場の厳しい仕組みこそ米経済が強い理由でもあります。
過去全ての暴落相場から立ち直ってきた実績
米国株式の指数として主に以下の3つが有名です。
過去に以下のような暴落相場に見舞われた時期がありました。
それぞれ世の中が悲観的になる出来事であり直近の高値から30~50%程度暴落しましたが、その後復活し当時の高値を更新してきた実績があります。
日本や新興国はしばらく高値を更新できておりません。
未来は誰にも予測できませんが、こういった過去の歴史は米国株に投資する上で心強いデータとなります。
まとめ
上記の理由から米国株への長期投資が資産形成にとって最も手堅い手法と言えます。
現段階ではこれらをトータルで上回る投資先はありません。
たとえ低成長になったとしても後退することも考えられない為、安心して投資できると言えます。
暴落相場に見舞われた時は「自分が何故米国株に投資しているのか」を考えれば安易な損切(損覚悟で売却)をせずに済むでしょう。
米国株への投資は以下の証券口座がおすすめです。
この記事がみなさんの資産形成の参考になれば嬉しく思います。