株式投資には2種類の利益があります。
「安値で買って高値で売る」といった売却益を狙う手法と「保有している株から配当を受け取る」配当益を狙う手法があります。
株式についてはこちらの記事をご参照ください↓↓
配当を受け取る投資手法は基本的に株を売却する必要がない為、株価を気にする必要性は薄いと言えます。つまり一度購入してしまえば売り時を考えず楽に続けられる投資手法と言えます。
しかし単に高配当を出してくれる企業に投資するだけではいくつかののリスクを負うことになります。
今回はそのリスクを抑えた銘柄の選び方や注意点について解説致します。配当金は立派な不労収入です。安定的に不労収入を得たい方は是非参考にしてください。
おすすめ証券口座については下記の記事で解説しています↓↓
高配当株とは株価に対して高い配当金が貰える株のこと
高配当株とは株価に対して高い割合で配当が支払われる株式のことです。
例えば1株あたりの配当金30円の株を1,000円で購入した場合であれば株価に対して3%の配当を受け取ることができます。
これを「配当利回り」と言います。
仮にこの株が値下がりして900円になった場合の配当利回りは3.33%となります。
つまり同じ株でも購入金額が安いときは配当利回りが高くなります。
一般的に配当利回り3%以上が高配当株と呼ばれる
一体配当利回りがいくらあれば高配当株に認定されるかは明確な基準がありません。
一般的に3%以上が高配当株と呼ばれることが多いです。
また配当金受取時には税金がかかります。国内株であれば約20%、外国株であれば現地税が引かれたあと国内でも20%課税される為、実質の手取り金額は以下のようになります。
つまり国内株で税引後の配当利回りを3%以上にしようと思った場合、配当利回り3.75%以上の株を購入する必要があります。
配当利回りが高い銘柄ほどリスクあり
じゃあとりあえず配当利回りが高い株を買えばいいんだね!
いやダメです。そういった銘柄には罠銘柄が存在します。
高配当利回りにになっている銘柄には「貰える配当金額に対して株価が低い」という特徴があります。
つまりそれは市場の期待値が薄いということの裏返しになります。
こんな銘柄であれば、株価も下がりいずれ減配(配当金が減る)することが予想できます。
ただ単に高配当利回りの銘柄を購入すればこういった「罠銘柄」を掴む恐れがあります。
高配当株を選ぶポイント
高配当株投資の主なリスクは下記の2点
株価が下落し続ければいくら配当を貰っても自分の貯金を切り崩しているようなものです。理想は株価も成長する銘柄、最低でも横ばいの銘柄を選ぶ必要があります。
配当は企業が利益を得たときに株主に還元します。つまり利益を出せなくなった企業は減配(配当金を減らす)や無配(配当金を無くす)にすることが予想されます。
銘柄を選定する際は企業財務の確認を行い、継続的に配当を出し続けてくれるかどうかを考える必要があります。
ではどういったポイントを確認すればいいのかと言うと以下の4点になります。
重要項目 | 意味 |
---|---|
営業利益 | 本業で稼いだ利益 |
営業利益率 | 売上の内利益の占める割合 |
EPS | 1株あたりのその年上げた利益 |
PER | 現在の株価がEPSの何倍かを示す |
総資産 | 負債や借物を含めた全資産 |
純資産 | 負債や借物を除いた純粋な資産 |
自己資本比率 | 総資産の内純資産の占める割合 |
配当金 | 1株当たりの配当金額 |
配当性向 | EPSの内配当金の占める割合 |
稼ぐ力は年々増えているか
単純にその企業が毎年利益を伸ばせているかを確認します。配当の原資は企業の利益の為、ここが一番重要になります。
営業利益とは売上から原価を引いたもので、これが毎年増加傾向であれば事業が成長していることになります。
営業利益率は売上の内、営業利益の占める割合です。高ければ高いほど利益が出せる体質である為、不測の事態にも強くなります。5%を超えるかどうかが投資判断の目安で、10%を超えると超優良企業と思っていただいていいでしょう。
EPSとは1株あたりの純利益のことです。その年にあげた純利益÷発行株数で求められます。純利益が減ったり、発行株数を増やした場合はEPSは低下します。株主にとって最も重要な指標と言っていいでしょう。
極端なことを言えばEPSが堅調な銘柄であれば株価も配当も右肩上がりが想定されます。
自己資本比率が少なすぎないか
自己資本比率とは総資産における純資産の割合のことです。
例えば以下のような企業の場合、自己資本比率は50%となり企業は半分が純資産で残りの半分は借金や借物ということです。
総資産 | 純資産 | 自己資本比率 |
1兆円 | 5,000億円 | 50% |
自己資本比率が高ければ高いほど有事に強くなります。
業種にもよりますが50%程度が1つの目安になるのではないでしょうか。※資金を運用する「銀行業」や取引値が高額な「不動産業」などはどうしても自己資本比率が低くなってしましがちなのであくまでも目安です。
過去に大きな減配をしていないか
過去の配当実績を見た時に大きな減配をしている企業には注意が必要です。
大きな減配をしているということは
このどちらかが当てはまります。
どちらにせよ投資家にとっては魅力は感じにくくなります。
逆に年々増配傾向であれば財務も優良であることが予想される為、投資妙味を感じられるでしょう。
配当性向が高過ぎないか
配当性向とはEPS(1株あたりの当期純利益)における配当金額の割合です。
例えば以下のようにEPS100円の企業が毎年50円の配当を出していたら配当性向は50%となり50%の余力があることになります。
EPS | 配当金額 | 配当性向 |
100円 | 50円 | 50% |
配当性向は高すぎると企業が無理をして配当を出していることになります。極稀に100%を超える配当性向の時がありますが、これは単に過去の貯金から切り崩しているということです。到底長続きするとは思えません。
配当性向は企業の配当余力を示す値であり
となります。
配当性向が30~60%の高配当銘柄であれば比較的バランスが取れていると考えられます。
80%を超えている場合は減配への注意が必要です。
高配当株投資を始める具体的ステップ
ではここから具体的なステップについて解説します。
証券口座を開設
株式投資をする為には証券口座の開設が必要になります。
日本株投資を始めるのにオススメの証券口座は以下を推奨します。
SBI証券 口座開設(無料)SBI証券は口座開設数ナンバーワンの人気証券口座です。
国内株式の取引であれば、アクティブプランを選択して1日100万円までの取引なら手数料は「0円」です。単元未満株(1株単位で)の取り引きも可能で2021年より手数料が全額キャッシュバックされている為、コストを抑えて投資したい方にはオススメの証券口座です。
マネックス証券マネックス証券も高いシェア率を誇る人気証券口座です。
単元株での取引きは毎回の取引金額に応じて手数料が決まる「取引毎手数料コース」と一日の取引金額によって手数料が決まる「一日定額手数料コース」があります。単元未満株(1株単位で)の取り引きも可能で買付にかかる手数料は無料「0円」です。「10年スクリーン」という他の証券口座にはない銘柄検索ツールがある為、個別株投資をされる方にオススメできる証券口座です。
SBIネオモバイル証券は日本株のみに特化した証券口座です。
通常の証券口座であれば取引額に応じて手数料が変化しますが、SBIネオモバイル証券では月50万円までの取引なら月額220円で取引し放題です。またTポイントが毎月200ポイント、手数料をクレジット決済している場合+2ポイントが付与される為、実質コストは毎月18円で済みます。こちらも単元未満株での取引きができ、操作画面も見やすく使い勝手の良い証券口座です。
上記に挙げた証券口座は全てネット証券です。投資を始めるには低コストで運用可能なネット証券にするべきです。
銀行など窓口で開設してしまうと手数料の高いぼったくりファンドを買わされてしまうのがオチです。窓口には近づかないほうが賢明です。
「Yahoo!ファイナンス」にて高配当銘柄を抽出
「Yahoo!ファイナンス」というサイトを使って配当利回りの高い企業を抽出します。
①リンクに飛んでいただいて「株式ランキング」を選択
②「配当利回り(会社予想)」を選択
③配当利回りが高い順に銘柄が表示されますのでここから抽出します。
「IR BANK」にて企業の財務を確認
次に「IR BANK」を使って企業の財務確認を行います。
①以下のように検索窓に「証券コード」or「企業名」を入力します。
例えば「NTT」であれば「9432」or「日本電信電話」と入力しましょう。
②表示された銘柄を選択します。
③画面を下にスクロールしていき「決算まとめ」を選択します。
そして上述した通り、できるだけ株価下落リスクと減配リスクを抑えた銘柄を選定します。
具体的な指標の見方は下記の記事をご参照ください↓↓
※各企業の直近の決算である「決算短信」も確認することをオススメします。直近決算が悪かった場合、株価が下がったり減配する恐れがあります。
現在が割安であるかPERを確認する
現在の株価が割安水準であるかを計る指標としてPERがあります。
一般的に14~15倍がよく基準として見られています。
しかし、業種やビジネスモデルによって低いものから極端に高いものがあります。
他社と比べるのではなく、購入を検討している銘柄が過去と比べてどのくらいの水準かを見るようにしましょう。
※高配当株投資は如何に割安で株を購入できるかに尽きます。同じ配当額でも安く仕込めればそれだけ配当利回りが高くなる為です。
業種&銘柄を複数に分散し購入
いくら優良な企業を見つけたとしても1つの企業に全てを賭けるのは得策ではありません。長期投資であれば尚更いろんなリスクを想定しなければなりません。
など株価下落や減配リスクが多分にある為、投資金額にもよりますが20銘柄以上に分散投資した方が安定的な運用が期待できます。
また必ず業種も分散しましょう。例えば同じ不動産業20社に投資したとしても景気後退局面ではどの企業も財政、株価は悪化することが見込まれます。
「景気敏感業種」「景気の影響が少ない業種」を織り交ぜることによってリスクも分散されます。
株の買い方については下記の記事をご参照ください↓↓
私自身が投資している銘柄については下記の記事をご参照ください↓↓
購入後も定期的に財務確認が必要
購入後も定期的に財務の確認は行いましょう。
これまでは堅調に業績が右肩上がりであったとしても未来は誰にもわかりません。
大きなトラブルや不祥事などを起こせば著しく企業価値は損なわれます。当然株価や配当にも影響が出ることが予想される為、そういった場合は長期保有前提の銘柄であっても手放しを考える必要があります。
株価はそこまで気にする必要はありませんが、財務は確認しましょう。
まとめ
高配当株投資を始める手順を要約すると次の通りです。
銘柄を選定する上で見ておきたいポイントは以下の通り。
配当金は立派な不労所得です。
労働収入がもちろん収入の柱になることは間違いありませんが、配当金があることで生活費の足しにもなります。
年間4万円の配当金があれば月々の格安スマホ通信料が払えたり、年間12万円配当金があれば光熱費が払えたりします。年間配当60万円ともなると家賃が払える水準となる為、生活はかなり楽になります。
コツコツと自身の資産を育てながら配当金を受け取りたいという方は是非高配当株投資を検討してください。
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この記事がみなさんの投資の参考になれば嬉しく思います。