ETFて何?
投資信託と何が違うの?
投資を始めたての方や、投資をはじめようとする方ならこんな疑問を持った方は多いのではないでしょうか。
「ETF」とは「投資信託」を”上場”したもので「上場投資信託」”Exchange Traded Fund”略してETFと呼ばれています。
ここでは投資初心者向けに「ETFの概要」と「投資信託との違い」を解りやすく解説します。
また初心者にオススメの「米国ETF」も紹介しますので参考にしてください。
投資信託との共通点
「ETF」は投資信託同様に複数の銘柄(株や債券などの詰め合わせパック)で構成されてます。その為、1銘柄に投資するだけで分散投資できることになります。
価格も安く個別株を100株単位で購入するよりはるかに少額から投資できます。
また、個別株ひとつひとつ選定するより遥かに手間がかからず、運用が楽です。
投資信託の概要は下記の記事をご参照ください↓↓
投資信託との相違点
投資信託との違いは上場しているか、していないかの違いになります。
値段がリアルタイムで変動
上場しているとどうなるのかというと、
- 株式や債券同様に市場で自由に取引できる
- 株のようにリアルタイムで価格が変動
そして証券市場で直接売買(銀行や郵便局などの仲介会社を介さずに)できる為、その分手数料がかかりません。
従ってETFは投資信託より低コストで運用できます。
ただし、投資信託は購入にかかる手数料が無料なモノも多くありますが、ETFに関しては購入手数料無料のモノは多くはありません。
分配金は純粋な利益から捻出
そしてETFは、法律により「分配金の原資は利益のすべて」と定められており、タコ足配当(タコが自分の足を食べるように資産や積立金から配当を出す仕組み)は有り得ない仕組みになっております。
つまりぼったくり商品が横行する投資信託より遥かに安心して運用できます。
それ!ただのワシの金やないか!
自動での分配金再投資は不可
分配金は投資信託であれば自動再投資することが可能ですが、ETFは受け取ることしかできません。
つまり、分配金を再投資したい場合は手動で行うしかありません。
そして受け取る分配金には約20%の税金がかかる為、その点ではコストがかかってきます。
ちなみに米国ETFなら現地で10%の外国税が引かれ、国内でも20%の税金がかかる為手取りは約72%になります。
米国ETFはつみたてNISA非対応
投資信託は金融庁の審査通った優良ファンドであればつみたてNISA口座での運用が可能ですが、米国ETFはつみたてNISA非対応です。※国内ETFは一部対応しています。
米国ETFを非課税で運用したい場合はNISA口座で運用しましょう。
また、自動積立設定ができる投資信託に対しETFは自動積立設定ができる証券会社が少ない為、自身で買い付ける必要があります。(SBI証券は積立設定が可能)
NISAやつみたてNISAについては下記の記事をご参照ください↓↓
購入方法が多彩
「投資信託」は基本的に円貨決済にて「購入金額」を指定して「毎月積立」or「一括購入」するかを選択するくらいで簡単です。
しかし後述しますが、「ETF」は購入方法がやや複雑です。
購入方法について
投資信託の場合、【証券会社】【銀行】【郵便局】などの販売会社に申し込みを行いますが、ETFの場合、【証券会社】に申し込みを行い、証券市場にて購入してもらいます。
- 投資信託=販売会社に申し込み
- ETF=証券会社に申し込み
そして購入する際に口数指定か金額指定を選択します。
指値と成行について
そしてETFの場合、値段指定の有無を選択します。
成行は証券会社が買い付けるタイミングでの値段が取引価格になります。
指値は指定した値段まで下がるまで買付を行いません。
外貨決済と円貨決済
外貨建て商品の場合、外貨決済か円貨決済を選択します。
円貨決済の場合、「為替手数料」が発生します。※金額は証券会社によって異なりますが、1ドルあたり25銭の手数料がかかることが多いです。
「米国ETF」の場合、円高時にドルを少々仕込んでおいて購入できるとお得です。
こんな人にETFは向いている
投資信託であれば毎月定額積立が可能で最初に設定を済ませれば手間がかかりません。
しかしETFは定期積立は基本的に不可の為、毎回自身で買付を行う必要があります。つまり購入タイミングを自分で決めたい人に向いていると言えます。(※ちなみにSBI証券なら定期自動積立設定が可能です。)
また投資信託に比べて商品が多く、ETFにしかない商品に投資をしたい方は必然的にETFになります。
そしてこの理由が最も大きいかと思いますが、ETFは分配金の自動再投資ができません。つまり分配金を受け取りたい方はETF向きということになります。
つまり資産拡大に重きを置きたい方は分配金をファンド内で再投資してくれる投資信託を選択。
チョコチョコ分配金を受け取りたい方ならETFを選択すれば良いでしょう。
初心者にオススメの米国ETF
「米国ETF」とは”米国の証券市場(ニューヨーク証券取引所やナスダック)”に上場している投資信託のことです。
「日本のETF」はないの?と思われた方もおられるかと思いますが、経費率や商品内容からして米国ETFを上回る日本のETFは皆無です。
これ一本で市場平均のリターンが得られるというファンドなら
全世界の株式に投資する「VT」
米国株式全体に投資する「VTI」
米国の優良企業約500社(S&P500)の株式に投資する「VOO」
米国の10年以上連続増配を続ける株式を集めた「VIG」
高配当を得る手法を取るなら高配当株ファンドの「VYM」「HDV」「SPYD」
高配当株投資の概要はこちら
といったところでしょうか。
上記のファンドはいずれも低コストで運用ができる王道のファンドです。きっとみなさんの資産形成において役に立ってくれるファンドでしょう。
まとめ
米国株への考え方や歴史については下記の書籍が非常に参考になります↓↓
投資をする上で証券口座の開設は必須です。上記のETFが低コストで取引できるオススメ証券口座は以下の3つです。
SBI証券 口座開設(無料)「SBI証券」は「投信の種類の豊富さ」や「クレカ決済積立」「単元未満株買付手数料全額キャッシュバック」などメリット多数。独自のサービスとしては「米国ETFの定期買付サービス」や連携銀行口座の「住信SBIネット銀行」活用で為替手数料が25銭/1ドル→2銭/1ドルにできるなどコストを意識した小回りの効く証券口座です。
楽天証券「楽天証券」は「クレカ決済積立」や「楽天ポイント投資」も可能。 国内外株式の取り扱い商品の豊富さも売りの1つで、楽天銀行口座と連携することで「ポイント倍率UP」や「楽天銀行での普通預金金利UP」など他のサービスとも連携しており総合力の高い証券口座です。
マネックス証券「マネックス証券」は国内単元未満株の買付手数料や米国株買付時の為替手数料無料(※定期的に見直しされます)や、独自の銘柄検索ツールの「10年スクリーニング」を擁するなどコスト面と機能性のバランス抜群の証券口座です。2022年2月25日より「投信クレカ決済積立」が可能となりました。業界最大の1.1%ポイント還元される為かなりお得です。
また、それぞれ証券会社ごとに買付手数料無料のETFが設定されています。コストを抑えることは投資を成功させることに繋がる為、是非有効活用しましょう。
SBI証券 | 楽天証券 | マネックス証券 | |
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その他の米国ETF 取引手数料 | 約定代金の0.495% (最大22米ドル) | 約定代金の0.495% (最大22米ドル) | 約定代金の0.495% (最大22米ドル) |
買付手数料 無料米国ETF | VT VTI VOO EPI GLDM QQQ SPYD AGG VGT IYR | VT VOO VTI SPY RWR GLDM AIQ FINX GNOM EPI QQQ SPYD AGG VGT IYR | VT VOO VTI SPY IVV EPI DHS DLN DGRW |
特徴的なのは人気米国ETF15銘柄を無料としている楽天証券です。(※緑太字銘柄は2022年4月より新たに加わった買付手数料無料ETFです。)
まだ投資を始めるか検討中であったとしても口座自体は無料で開設できる為、今のうちに開設しておきましょう。
いざ欲しい商品が値下がりしていて買いやすい時が来たとしても、口座が開設できていなければ商品が買えません。
自分の投資目的を考え、ある程度の概要を掴んだら少額からでいいので是非投資を始めていきましょう。
※本記事は特定の銘柄やファンドを推奨している訳ではありません。あくまでも投資は自己責任で行ってください。