株価の値上がりより「安定したキャッシュフローを増やしたい」と考える方におすすめしたいファンドが「HDV」です。
「HDV」は景気の影響を受けにくいディフェンシブ銘柄に分散投資しており、安定的に高配当を受け取れるファンドです。
今回はそんな「HDV」について徹底解説致します。
HDVの概要
正式名 | iシェアーズ・コア高配当株ETF |
運用会社 | ブラックロック |
設定日 | 2011年3月31日 |
ベンチマーク | モーニングスター配当フォーカス指数 |
運用総額 | 約9,000億円 |
経費率 | 0.08% |
分配月 | 3.6.9.12月(年4回) |
直近年間配当 | 3.508$(2021年) |
配当利回りレンジ | 3~4% |
現在配当利回り | 3.4%程度 |
直近10年 平均増配率 | 5.9% |
直近5年 トータルリターン | 8.59% |
※ETFについてはこちらを参考にしてください↓↓
また「HDV」に低コストで投資できるおすすめ証券口座は下記の記事で紹介しています↓↓
ブラックロックが運用する低コストファンド
ブラックロックは運用資産残高が1,000兆円以上の巨大資産運用会社。
資産が巨額であれば商品の手数料等の経費率を抑えても儲けが十分に出る為、【HDV】の経費率は0.08%と低コスト。

100万円預けても年間800円しかかかりません。
従って人気もあり運用総額は9,000億円に迫ります。
財務健全な高配当利回り銘柄で構成
HDVは「モーニングスター配当フォーカス指数」という指数に連動しています。
「HDV」はS&P500のみならず米国市場全体から銘柄を選定しています。
財務健全で市場平均以上の配当を持続的に支払えると認められた銘柄から選定されており、その中から配当利回りの高い企業上位75銘柄で構成されています。
そして銘柄の構成比率は時価総額加重ではなく、配当余力に応じて決定しているのが特徴です。

配当利回りが高くなるように構成比率が決定されています。
構成セクター比率は「ヘルスケア」「エネルギー」「生活必需品」で50%以上を占めています。
構成銘柄トップ10は以下の通り
名称 | 業種/セクター | 割合 |
---|---|---|
エクソンモービル | エネルギー | 9.55% |
シェブロン・コーポレーション | エネルギー | 6.31% |
ジョンソン&ジョンソン | ヘルスケア | 6.18% |
ベライゾン・コミュニケーションズ | 通信サービス | 5.73% |
アッヴィ | ヘルスケア | 5.46% |
ファイザー | ヘルスケア | 4.84% |
フィリップモリス | 生活必需品 | 4.72% |
プロクター&ギャンブル | 生活必需品 | 4.70% |
メルク&カンパニー | ヘルスケア | 3.86% |
コカ・コーラ | 生活必需品 | 3.77% |
詳細はこちらを参照ください↓↓
HDVの魅力
景気に左右され難く安定して高配当が得られる
「HDV」の配当利回りは2022年1月現在で3.4%程度です。
構成セクター比率は「ヘルスケア」「エネルギー」「生活必需品」で50%以上を占めており、比較的景気の影響を受けにくいディフェンシブ銘柄で構成されています。逆に景気の影響をもろに受ける「金融」や「サービス」 などのセクターは控えめです。
つまり景気の影響を大きく受けず、安定して3%以上の高配当を貰える期待ができます。

安定した高配当を得られるのが強みです。
安定して増配傾向
「HDV」の主力銘柄は連続増配株で構成されています。
主な主力銘柄 | 連続増配年数 |
プロクター&ギャンブル | 65年 |
ジョンソン&ジョンソン | 59年 |
コカ・コーラ | 59年 |
エクソンモービル | 38年 |
シェブロン | 34年 |
つまり、増配も期待できるファンドなのです。


「近い将来更に高配当化している」そんな可能性のあるファンドです。
緩やかな株価上昇も期待できる
ファンド誕生後の 基準価格推移 ※2022年1月時点 | 年平均 リターン | |
HDV ※設定日2011年 | 50$⇒102$ 約2倍 | 7.4% |
SPYD ※設定日2015年 | 30$⇒42$ 約1.41倍 | 5.1% |
成長著しい米国の財務優良企業から選定されている為、株価の上昇も期待できます。
現に「HDV」の価格はファンドが誕生した2011~2022年で50$から102$と約2倍に成長しています。
米国市場平均を下回りますがファンド誕生後の平均利回りは7.4%と同じ高配当ファンドであるSPYDと比べると優秀な水準であると言えます。

高配当が貰えるだけのファンドではないということです。
とはいえ同じく高配当株ファンドとして人気を集める「VYM」には成長性では劣後します。

HDVの注意点
ここまで「HDV」の魅力について解説しましたが注意点があります。
株価の成長は市場平均以下
「HDV」は決して高成長ファンドではありません。
ファンド誕生の2011年から2021年の10年間で価格は約1.9倍に成長しました。
しかし全米企業のほぼ全てに投資するファンド「VTI」の価格や全米市場の時価総額75%をカバーする「S&P500」のポイントは同期間で3倍以上に成長していることから、「HDV」は米国市場平均には成長面で劣ります。

2011~2022年 基準価格推移 | 年平均 リターン | |
HDV | 50$→102$約 2倍 | 7.4% |
VTI | 69$→222$ 約 3.2倍 | 12.4% |
S&P500 | 1,318p→4,431p 約 3.4倍 | 12.9% |
「VTI」「S&P500」についてはこちらの記事を参考にしてください↓↓
増配率はVYMやVIGに劣る
「HDV」は高配当(成熟)企業が多く組み入れられている為、配当利回りがそこまで高くない企業も組み入れている「VIG」や「VYM」に増配率では劣ります。
とはいえ増配率5.9%はかなり立派で、日本企業では出しにくい数字と言えます。

為替リスクがある
「HDV」はドル建て商品の為、為替リスクが存在します。
- 1ドル110円の時に100万円分(9,090.9$)購入
- 1ドル90円の時に全て売却
9,090.9$×90円=81万8,181円と約18万円の損益に…
こんなことが起こる為、こういったリスクがあることは頭に入れておきましょう。
どんなケースで必要になるか
以下のようなケースで「HDV」は役に立ってくれるでしょう。
「HDV」は文句なしの高配当ファンドです。
購入初年度から3%以上の配当が得られる上に、ディフェンシブ銘柄で構成されており安定的な配当が期待できます。
また、主力構成銘柄は連続増配株であることから将来更なる高配当化が見込めます。
業種的に見て「ヘルスケア」「エネルギー」「生活必需品」で50%以上を占めており、「不動産」「金融」セクターが多く組み入れられている「SPYD」との相性も良く、これらを組み合わせて購入されている方も多いです。

ディフェンシブ銘柄に分散投資したいのであればHDVは有力な投資候補になります。
まとめ
ある程度の高配当を安定して受け取れるHDVは多くの投資家から人気を集めます。
配当金は生活資金として使うこともできる為、インデックス投資より自由度は格段に上がります。
個人的にもある程度計算できて安定して高配当を得られる魅力を感じて「HDV」を主力銘柄としています。
私の投資している商品や配当についてはこちらで紹介しています。
高配当株投資を検討している方は下記の記事を参考にしてください↓↓
この記事がみなさんの”投資への一歩を踏み出すきっかけ”や”投資への考え方の参考”になれば嬉しく思います。