高配当株投資ファンドとして他に「SPYD」「HDV」などが有名です。
配当利回り自体は上記のファンドに及びませんが、株価の上昇と安定した増配が見込める「VYM」は近い将来に立場を逆転させている可能性が高いです。
今回はそんな「VYM」について徹底解説致します。
VYMの概要
正式名 | バンガード・米国高配当株式ETF |
運用会社 | バンガード |
設定日 | 2006年11月16日 |
ベンチマーク | FTSE High Dividend Yield Index |
運用総額 | 約4兆8,000億円 |
経費率 | 0.06% |
分配月 | 3.6.9.12月(年4回) |
直近年間配当 | 3.096$(2021年) |
配当利回りレンジ | 2.7%~3.5% |
現在配当利回り | 2.8%程度 |
直近10年 平均増配率 | 7.7% |
直近5年 トータルリターン | 10.96% |
※ETFについてはこちらを参考にしてください↓↓
また「VYM」に低コストで投資できるおすすめ証券口座は下記の記事で紹介しています↓↓
バンガードが運用する低コストETF
バンガードは運用資産残高が650兆円以上の巨大資産運用会社。
資産が巨額であれば商品の手数料等の経費率を抑えても儲けが十分に出る為、【VYM】の経費率は0.06%と低コスト。
100万円預けても年間600円しかかかりません。
従って人気もあり運用総額は5兆円に迫ります。
平均以上の配当利回り銘柄で構成
VYMは「FTSE High Dividend Yield Index」という指数に連動しています。
「VYM」はS&P500のみならず米国企業全体の中から選定されています。
市場平均以上の配当利回りの銘柄から選定されている為、必ずしも高配当と呼ばれる企業が名を連ねる訳ではありません。
構成セクター比率は「金融」「生活必需品」「ヘルスケア」で約50%を占めています。
構成銘柄トップ10は以下の通り
名称 | 業種/セクター | 割合 |
---|---|---|
JPモルガンチェース&カンパニー | 金融 | 3.29% |
ジョンソン&ジョンソン | ヘルスケア | 3.19% |
ホーム・デポ | 一般消費財 | 3.13% |
プロクター&ギャンブル | 生活必需品 | 2.79% |
ファイザー | ヘルスケア | 2.34% |
バンク・オブ・アメリカ | 金融 | 2.27% |
シスコシステムズ | 情報技術 | 1.90% |
ブロードコム | 情報技術 | 1.88% |
エクソンモービル | エネルギー | 1.84% |
ペプシコ | 生活必需品 | 1.70% |
詳細はこちらを参照ください↓↓
VYMの魅力
投資対象が約400銘柄と分散が効いている
高配当銘柄の中で最も投資対象銘柄が多いのが「VYM」です。
これ一本買うだけで400銘柄に分散投資ができるという訳です。
投資銘柄数 | |
VYM | 約400銘柄 |
HDV | 70~80銘柄 |
SPYD | 80銘柄 |
高配当ファンドの中では圧倒的にリスク分散できています。
市場平均以上の配当が得られる
2022年1月現在で配当利回りは2.8%程度で、高配当ファンド仲間である「SPYD」「HDV」あたりに比べると劣ります。
しかし、「VOO」「VTI」「VIG」あたりの成長インデックスファンドとは違い、平均以上の配当還元する企業を集めた「VYM」はしっかり配当を貰えます。
VOO | VTI | VIG | VYM | HDV | SPYD | |
2021 | 1.3% | 1.3% | 1.4% | 2.8% | 3.4% | 3.7% |
2020 | 1.8% | 1.7% | 1.8% | 3.1% | 3.7% | 4.2% |
2019 | 2.4% | 2.3% | 2.2% | 3.6% | 3.8% | 5.1% |
2018 | 1.9% | 1.9% | 2.0% | 3.1% | 3.4% | 4.3% |
2017 | 2.1% | 2.0% | 2.3% | 3.2% | 3.6% | 4.1% |
2016 | 2.2% | 2.1% | 2.4% | 3.3% | 3.7% | 5.2% |
2015 | 2.1% | 2.0% | 2.2% | 3.1% | 3.5% | |
2014 | 2.1% | 2.0% | 2.1% | 3.1% | 3.5% | |
2013 | 1.5% | 2.3% | 2.3% | 3.5% | 3.8% | |
2012 | 1.2% | 2.4% | 2.6% | 3.5% | 3.8% | |
2011 | 1.0% | 1.9% | 2.2% | 3.1% | ||
平均 | 1.8% | 2.0% | 2.0% | 3.2% | 3.7% | 4.6% |
安定して増配傾向
「金融」「生活必需品」「ヘルスケア」のディフェンシブ銘柄で構成されていることから、景気の影響を受けにくく安定して増配傾向です。
平均増配率は連続増配株ファンド「VIG」を上回り、安定的に増配してくれます。
直近10年においては連続増配銘柄で構成された「VIG」でさえ1度減配を記録したのに対し、「VYM」は減配しなかったことからその安定感は出色です。
「近い将来、更に高配当化している」そんな青写真が描けるロマンのあるファンドです。
株価の成長にも期待できる
直近5年 基準価格推移 | 年平均リターン | |
VYM | 約 1.45倍 | 7.8% |
HDV | 約 1.25倍 | 4.7% |
SPYD | 約 1.21倍 | 3.9% |
市場平均を上回る配当を出してくれる企業で構成されていますが、増配率が高いということはまだ余力があるということ。
成熟企業と違い成長(株価上昇)の余地が残されているということです。
「単なる高配当ファンドではない」ということです。
「VYM」の価格はファンドが誕生した2006~2021年の15年間で50$から107$と約2.1倍に成長しています。
同じく高配当ファンドと呼ばれる「SPYD」「HDV」あたりと比較すると株価の上昇率も非常に高いことがわかります。
とはいえコロナショック後は出来過ぎた感がある為、これから投資する方はやや控えめに見積もっておいたほうが無難でしょう。
VYMの注意点
ここまで「VYM」の魅力について解説しましたが、いくつか注意点があります。
株価成長は市場平均に劣後
「VYM」は直近15年間で価格は約2.1倍に成長しました。
しかし全米企業のほぼ全てに投資するファンド「VTI」の価格や全米市場の時価総額75%をカバーする「S&P500」のポイントは同期間で約3.4倍に成長していることから、「VYM」は米国市場平均の成長よりは劣ります。
あくまでも高配当ファンドの中では高成長という位置づけになります。
直近15年 基準価格推移 | 直近15年 年平均リターン | |
VYM | 52$→110$約 2.1倍 | 5.2% |
VTI | 70$→222$ 約 3.2倍 | 8.0% |
S&P500 | 1,420p→4,430p 約 3.1倍 | 7.9% |
「S&P500」や「VTI」はこちらの記事を参考にしてください↓↓
暴落時は市場平均並に下落
連続増配株ファンドの「VIG」であれば暴落時に強い傾向があります。
しかし「VYM」は平気な顔で市場平均並に暴落します。
2008年 リーマンショック | 2020年 コロナショック | |
S&P500 | 約 50%下落 | 約 32%下落 |
VIG | 約 40%下落 | 約 28%下落 |
VYM | 約 58%下落 | 約 32%下落 |
為替リスクがある
こちらは米国ETF全体に言えることですが「VYM」はドル建て商品の為、為替リスクが存在します。
- 1ドル110円の時に100万円分(9,090.9$)購入
- 1ドル90円の時に全て売却
9,090.9$×90円=81万8,181円と約18万円の損益に…
こんなことが起こる為、こういったリスクがあることは頭に入れておきましょう。
どんなケースで必要になるか
以下のようなケースで「VYM」は役に立ってくれるでしょう。
VYMは企業の決算や市場動向などに着目しなくともファンド内で銘柄の入れ換えや比率調整などを行ってくれる為、手間がかかりません。
また過去の歴史上減配リスクは著しく低く、安定して増配傾向です。株価も成長が期待できる為、毎年配当を貰いながら増配と資産拡大を狙いたい方にとっては最もオーソドックスなファンドになり得ます。
まとめ
安定して配当を得られる「VYM」を軸に将来の自分年金作りとして運用している方は多いです。
個人的にもある程度近い将来を見据えて「VYM」を購入しています。
私の投資している商品や配当についてはこちらで紹介しています。
高配当株投資を検討している方は下記の記事を参考にしてください↓↓
この記事がみなさんの”投資への一歩を踏み出すきっかけ”や”投資への考え方の参考”になれば嬉しく思います。