高配当株投資ファンドとして「SPYD」「HDV」「VYM」などが有名ですが、株価の値上がりに対する期待値はそこまで高くありません。
しかし決して高配当ファンドではありませんが、連続増配企業を集めた「VIG」であれば将来的に高配当になっている可能性&株価の値上がりも期待できるというおいしいとこ取りができます。
今回はそんな「VIG」について徹底解説致します。
VIGの概要
正式名 | バンガード・米国増配株式ETF |
運用会社 | バンガード |
設定日 | 2006年4月27日 |
ベンチマーク | ETF tracks the S&P US Dividend Growers index |
運用総額 | 約7兆4,000億円 |
経費率 | 0.06% |
分配月 | 3.6.9.12月(年4回) |
直近年間配当 | 2.66$(2021年) |
配当利回りレンジ | 1.5%~2.2% |
現在配当利回り | 1.7%程度 |
直近10年 平均増配率 | 7.4% |
直近5年 トータルリターン | 15.2% |
※ETFについてはこちらを参考にしてください↓↓
世界屈指の運用会社バンガードが運用
バンガードは運用資産残高が650兆円以上の巨大資産運用会社。
資産が巨額であれば商品の手数料等の経費率を抑えても儲けが十分に出る為、【VIG】の経費率は0.06%と低コスト。
100万円預けても年間600円しかかかりません。
従って人気もあり運用総額は7兆円を超えます。
10年以上増配している企業で構成
VIGは「ETF tracks the S&P US Dividend Growers」という指数に連動しています。
連続増配企業とは配当金を毎年増やしている企業のことです。
日本では「花王」の29年連続が連続増配記録のトップで、10年も連続で増配していたら、かなり注目を浴びます。
アメリカでは「プロクター&ギャンブル」「コカ・コーラ」「ジョンソン&ジョンソン」など50年以上連続で増配している企業が多数あり、10年連続増配している企業が大して目立たないほどゴロゴロあります。そういった連続増配企業を集めたETFが「VIG」になります。
また、高配当であれば配当の割に株価が下落しており高配当になっているケースが多い為、リスク回避という意味で上位25%の高配当銘柄を除外しています。
財務の怪しそうな企業をスクリーニングしてくれています。
構成セクター比率は「資本財」「一般消費財」「ヘルスケア」で50~60%を占めています。
構成銘柄トップ10は以下の通り
名称 | 業種/セクター | 割合 |
---|---|---|
マイクロソフト | 情報技術 | 4.83% |
ユナイテッド・ヘルス・グループ | ヘルスケア | 3.77% |
ジョンソン&ジョンソン | ヘルスケア | 3.58% |
JPモルガンチェース | 金融 | 3.56% |
ホーム・デポ | 一般消費財 | 3.48% |
プロクター&ギャンブル | 生活必需品 | 3.17% |
ビザ | 情報技術 | 2.77% |
ブロードコム | 情報技術 | 2.16% |
アクセンチュア | サービス | 2.08% |
コストコホールセール | 生活必需品 | 1.99% |
詳細はこちらを参照ください↓↓
VIGの魅力
将来的に高配当が期待できる
配当金を毎年増やしている企業の詰め合わせファンドなので、当然将来的に配当は増加することが見込めます。
分配金 | 増配率 | |
2021年 | 2.66$ | 15.7% |
2020年 | 2.30$ | 8.0% |
2019年 | 2.13$ | 4.4% |
2018年 | 2.04$ | 6.3% |
2017年 | 1.92$ | 4.9% |
2016年 | 1.83$ | 0.5% |
2015年 | 1.82$ | 14.5% |
2014年 | 1.59$ | 14.4% |
2013年 | 1.39$ | -1.4% |
2012年 | 1.41$ | 20.5% |
平均増配率 | 7.4% |
リーマンショック時に減配を記録するも、総じて安定して増配傾向です。
分配利回り2%の時に買ったら
10年後の分配利回りは4%前後が期待できます。
市場平均に近い株価成長も期待できる
増配を続けているという事は…
財務が健全という事は…
連続増配株は配当だけでなく株価の上昇も見込めます。
2006~2021年 基準価格推移 | 直近15年間 平均利回り | 直近10年間 平均利回り | |
VIG | 50$→153$ 約 3倍 | 7.8% | 10.8% |
VTI | 64$→210$ 約 3.3倍 | 8.3% | 12% |
S&P500 | 1,310p→4,130 約 3.2倍 | 8% | 12% |
「VIG」の価格はファンドが誕生した2006~2021年の15年間で50$から160$と約3倍に成長しています。
ちなみに「S&P500」や「VTI」の価格は同期間で約3倍強に成長していることから、「VIG」はこれらに肉薄するリターンの可能性を秘めています。
また「VIG」は2021年より連動指数が現在の指数に変更され、意図的に上位25%の高配当銘柄を除外しています。
つまり株価が下がって高配当になっている企業(罠銘柄)を組入れられることは少ない為、安定して株価が上昇しやすいということになります。
「S&P500」や「VTI」はこちらの記事を参考にしてください↓↓
暴落相場に強い
基本的に増配銘柄というのは不況時でも増配を続けてきたように、
であることが多い為、不況時に市場平均より下落率が少なく済みます。
2008年 リーマンショック | 2020年 コロナショック | |
S&P500 | 約 50%下落 | 約 32%下落 |
VIG | 約 40%下落 | 約 28%下落 |
暴落率が少ないということは、安定した運用が望めます。
VIGの注意点
ここまで「VIG」の魅力について解説しましたが、いくつか注意点があります。
決して高配当ではない
「VIG」は決して高配当ファンドではありません。現在の配当利回りも1.7%前後で推移しています。
増配する一方で株価も値上がりしてゆく為、組入れ銘柄の中に配当利回りの高い企業は多くはありません。
2021年 分配金 | 分配利回り レンジ | |
SPYD | 1.55$ | 3.5~5% |
HDV | 3.5$ | 3~4% |
VYM | 3.1$ | 2.7~3.5% |
VIG | 2.66$ | 1.5~2.2% |
お世辞にも高配当とは言えないでしょう。
増配率はVYMに劣る
増配銘柄で構成されていますが、必ずしも増配率が1番高いとは限りません。
下記は高配当ファンドとして人気を集める「VYM」との比較ですが増配率自体は若干劣ります。
トータルリターンはハイテクに劣る
「VIG」の価格は2006~2021年の15年間で50$→160$と約3倍に成長しています。
しかし、ハイテク銘柄を揃えた「QQQ」というファンドは2006~2021年の15年間で42$→368$と8倍以上に成長しています。
「S&P500」や「VTI」もハイテク銘柄の構成比率が「VIG」より多かった為、近年のハイテクブームの恩恵を受けた形になります。
2006~2021年 基準価格推移 | 直近15年間 平均利回り | 直近10年間 平均利回り | |
QQQ | 約 8.7倍 | 15.6% | 20.3% |
VTI | 約 3.4倍 | 8.7% | 12.9% |
S&P500 | 約 3.4倍 | 8.7% | 12.8% |
VIG | 約 3倍 | 7.9% | 11% |
良くも悪くも「VIG」は安定していると言えます。
為替リスクがある
「VIG」はドル建て商品の為、為替リスクが存在します。
- 1ドル110円の時に100万円分(9,090.9$)購入
- 1ドル90円の時に全て売却
9,090.9$×90円=81万8,181円と約18万円の損益に…
こんなことが起こる為、こういったリスクがあることは頭に入れておきましょう。
どんなケースで必要になるか
以下のようなケースで「VIG」は役に立ってくれるでしょう。
市場平均並のトータルリターンの可能性を秘める一方で、下落にも強い実績がある為、「安定的な運用」が期待できます。
過去の増配率も8%と非常に高い水準である為、10年後には高配当化している青写真が描けるのも魅力的です。
まとめ
安定感のある「VIG」は投資家から人気を集めており、コア資産として運用している方は多いです。
個人的にも将来を見据えて「VIG」を購入しています。
私の投資している商品や配当についてはこちらで紹介しています。
また、VIGに投資できるおすすめの証券口座については下記の記事で解説しています↓↓
お知らせ
APJ Media合同会社が発行するオックスフォードインカムレターは超優良情報
メルマガに登録するだけで
高配当株投資を考えている方や既に始めている方には非常に勉強になります。
無料メルマガ登録はこちらから↓↓↓
配当より値上がりが期待できる銘柄を紹介してほしい方はこちら↓↓