結局どれがいいの?人気米国債券ファンド「BND」「AGG」「LQD」を徹底比較

債券ファンド比較「AGG」「BND」「LQD」米国ETF
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この記事は債券ファンド購入を検討されている方や、株式暴落時の対策を考えている方へ向けて書いています。

株式投資をしていれば数年に一度は「暴落」に巻き込まれます。

「株式」は比較的値動きの激しい商品で、わずか数日の間に平気で40~50%下落することもある非常にハイリスクな資産と言えます。 一方で「債券」は借金であるため、基本的に利子と元本が返済される安全資産です。

比較的株式より安全性が高いため、リターンはかなり少なくなりますが暴落時に下落幅も少なく済むメリットがあります。

「株式」と「債券」値動きの違う投資商品を持つことはリスクのバランスを整えることと同義です。

今回はその債権を詰め合わせた人気米国ファンド「BND」「AGG」「LQD」の概要と違いについて比較検討致します。

安定した資産運用術を身につけるため是非内容をご確認いただくことをおすすめします。

概要と結論
  • 最も運用総額(AUM)が高く、楽天証券SBI証券で買付手数料が無料化した「AGG」
  • 最も分配金が多いのは「LQD」
  • 最も経費率が安いのは「BND」
  • 最も値動きが激しいのは「LQD」
  • 安全性は高めだが分配金も少なめの「AGG」「BND」
ダンボくん
ダンボくん

株式ファンドを軸にしていて「楽天証券」か「SBI証券」を利用している方であれば「AGG」がおすすめです。買付コストより信託報酬を重視したい方は「BND」がおすすめです。

定期的なインカムを目的としている方であれば分配利回りの高い「LQD」がおすすめです。

ファンドの概要

各ファンドの概要

前提としてこれらはいずれも「米国ETF」です。

米国市場で上場されている為、「楽天証券」「SBI証券」「マネックス証券」などのネット証券から購入が可能です。

ETFについては下記を参照してください↓↓

BNDAGGLQD
運用会社バンガードブラックロックブラックロック
設定日 2007/4/10 2003/9/26 2002/7/26
投資先米国総合債券
9,100銘柄
米国総合債券
7,600銘柄
投資適格社債
2,400銘柄
運用総額約9.9兆円約10.2兆円約4.1兆円
経費率0.035%0.04%0.14%
分配月毎月分配毎月分配毎月分配
2022年4月時データ

AGGは国債や政府関連債を含んだ格付けAAAの債券が7割を占める最も安全性の高いファンドです。

BNDも国債や政府関連債が約6割を占める安全性の高いファンドで「AGG」に遜色ありません。

LQDは上記2ファンドほどではありませんが投資適格社債(主に格付けBBB以上)で構成されている為、安全性の高い優良ファンドです。

運用総額(AUM)ナンバー1は「AGG」

ファンドの運用総額(AUM)はAGGがトップ。

しかし、他のファンドも米国ETFの運用総額ランキングトップ10%に入る巨大ファンドです。

運用総額(AUM)が高ければそれだけ繰上げ償還リスクが減少します。

繰上げ償還リスクとは?

繰上げ償還とは、効率的な運用が困難になった場合、運用会社がファンドの運用を終了することです。

※通常の満期償還であれば予め償還日が決められていますが、繰上げ償還は突然の換金されるため購入者側からすれば不利益を被ることが多い。

経費率は0.035%と「BND」が1番安い

経費率とは預けている金額にかかる手数料のことです。

3ファンドの中ではBNDが1番低コストで運用できます。

手数料はBNDが一番安いね

100万円預けても年間350円

ダンボくん
ダンボくん

はい!でも米国ETFの経費率の平均は0.2%くらいだから全部安い水準ですけどね♪

分配金は「LQD」が高利回り

直近の分配金額と利回り

BNDAGGLQD
2016年分配金
(利回り)
2.031$
(2.51%)
2.586$
(2.39%)
3.912$
(3.43%)
2017年分配金
(利回り)
2.075$
(2.57%)
2.537$
(2.35%)
3.771$
(3.22%)
2018年分配金
(利回り)
2.229$
(2.73%)
2.891$
(2.64%)
4.138$
(3.4%)
2019年分配金
(利回り)
2.28$
(2.88%)
3.036$
(2.85%)
4.206$
(3.73%)
2020年分配金
(利回り)
2.098$
(2.5%)
2.531$
(2.25%)
3.672$
(2.86%)
2021年分配金
(利回り)
1.675$
(1.9%)
2.02$
(1.7%)
3.045$
(2.2%)
※利回りは前年末基準価格より算出

投資先が国債中心の「BND」「AGG」に対し、投資先が社債である「LQD」はリスクも大きい分、利子である分配金が比較的多く貰えます。

想定利回りとリスク

各ファンドごとの想定利回りとリスク

過去の実績から見るリターンとリスクはどれくらいあるのか見ていきましょう。

出典:Yahoo!ファイナンス

「AGG」と「BND」は値動きに遜色がなく、「LQD」は若干値動きが激しめです。

  • BND
    • 平均利回り1%
    • 最大暴落率9%
  • AGG
    • 平均利回り1%
    • 最大暴落率9%
  • LQD
    • 平均利回り1.4%
    • 最大暴落率18%
出典:Yahoo!ファイナンス

とは言っても市場平均である全米株式ファンド「VTI」と比べるとその値動きの安定感はさすが債券ファンドと言えます。

全米株式ファンドについてはこちらの記事をご覧ください↓↓

総評

経費率期待
利回り
最大
暴落率
直近
分配利回り
BND0.035%約1%約9%1.9%
AGG0.04%約1%約9%1.7%
LQD0.14%約1.4%約18%2.2%

結果としてはコスト面、リスク共に「AGG」「BND」に大差はなく、「LQD」がコスト面、リスク共に少々高いということになりました。

ここからは私なりの見方になりますが、それぞれが必要になるケースを提案致しましたので参考にしてください。

「LQD」が必要になるケース

  • 株式投資は避けたい方
  • 中長期で投資できる方

「株式投資なんてできない」「分散できるほど高額な投資資金を持っていない」という方であればリスクもある程度抑えられていて、安定したインカム(分配金)が手に入る「LQD」は株式には遠く及びませんが安定したリターンが得られます。

「AGG」と「BND」が必要になるケース

  • 株式投資している
  • 資産総額が巨額
  • 資産取り崩し時期である

株式投資をしており、資産額が数千万円ある方であれば暴落時に大きく資産を失う可能性が高まるため、値動きの少ない「AGG」「BND」を保有することで資産の防御力は格段に上がります。

また、既に資産を取り崩す時期であれば「暴落」を想定する必要があるため過度なリスクは取れません。

それほど資産を増やす必要がなければ「AGG」「BND」の必要性は高まります。

「AGG」に朗報!楽天証券とSBI証券で買付手数料が無料化

2022年4月より「楽天証券」「SBI証券」にて「AGG」の買付手数料の無料化が発表されたため、購入のしやすさという点では「AGG」に軍配があがります。

通常、購入額に対して0.495%の手数料がかかる為、10万円分購入すれば495円の手数料がかかります。それが無料化されるので「AGG」はかなりお得に取引できることになります。

ダンボくん
ダンボくん

「AGG」か「BND」どちらか1つしか選べない状態なら、以前であれば経費率の安い「BND」を選択していましたが買付手数料が無料化した「AGG」の方が多くの方にとって魅力的に映るのではないでしょうか。

これらの優良債権ETFを低コストで購入できるおすすめの証券口座は下記の記事で解説しています↓↓

また、値動きの小さいこれらのETFと違い、株式と逆相関な値動きをする「超長期国債ETF」もあります。

最後に

株式に対して値動きの少ない債券ファンドは資産額が増えるにつれ必要度合は上がってきます。資産額が増えるごとに株式ファンドだけでは暴落時に大きく資産を失う可能性が高まる為です。

またリスク許容度の小さい方であれば必須と言えるファンドでしょう。

投資方針は人それぞれありますが、こういった商品があると知っておいて損はないでしょう。ただし、あくまでも資産形成の中心に据えるべきなのは「株式インデックスファンド」です。概要は以下の記事をご参照ください↓↓

自分なりの答えを導き出す為に、この記事がみなさんの役に立てれば嬉しく思います。

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